循環する仕組み

2013/12/17(火) 日常
継続的に成長していくためには、循環型の仕組みであることが必要ではないかと思うこのごろ。

今年は、伊勢神宮と出雲大社の遷宮が行われ話題になった。

伊勢神宮においては、20年に一度、式年遷宮を行うという仕組み。20年1サイクルで、この仕組みが回っているからこそ、技術が受け継がれ、結果として永続的に存続していける。

石の文化で造られた遺跡でも、長年の歳月では風化してしまう。しかし、技術の伝承まで含んだこの仕組みは、守り続ける意思があれば、風化せず永続的に残っていく。

こうして考えてみると、循環型のシステムを組んだ木造は、ながい耐久性を持つものと考えられるのではないか。

ゆい工房では、新築のみならず、住宅のリノベーションにも取り組んでいる。これは、構造躯体を補強しつつ、現代の暮らしにあわせた設えで住まいを新たにすること。この取り組みを通して、家の長寿命化がますます図れるのではないか。

リノベーションに取り組んでみて、困ったことがいくつかある。戸建て住宅でも、いろいろな工法があるのだが、特殊な工法の場合、例えば、7ミリ厚程のべニアで構造耐力を取っているものや、石膏ボードで耐力壁としているもの、下地から断熱材などをパネル化し接着剤で張り付けているものなどでは、下手に触ると大変なことになる。

木造軸組み工法のことを、在来工法と呼ぶが、何か古臭いものでよくないもののように響くのだが、実は、長く育まれてきたもので、日本の気候風土やメンテナンスを行いながら住まい続ける文化に適した工法ともいえるのではないか。