「省エネ性を高める」ことが、住まいに対するご要望として、高まっている。
建替えの場合、「古い建物が寒い」というのが、
計画の動機になる場合も多いので、断熱性能の改善を求める方は多い。
ただし、コストとのバランスもあるし、過剰すぎるのも、あまり求められないようだ。
全館暖房なども、一時期はもてはやされたが、
実際の使用例では、光熱費がかさむため、その機能を使わないようにしているという方もいるようだ。
ゆい工房の滝沢巣子にある展示場は、新築してから20年目を迎えるが、
当時の基準(次世代省エネ基準)をかなり上回る、結構な断熱仕様で造らせていただいたが、
今でも、温熱環境はほどほどに優れているようだ。
ゆい工房の本社事務所は、平成17年(2006年)に、
新築後30年余りの共同住宅をリフォームして、現在に至っているが、
この時にも、当時の基準を上回る断熱仕様で改修し、今でも心地よく使わせてもらっている。
住宅の省エネ性を考えるとき、要点となるのは、
1)断熱材の種類と厚さ
2)窓や戸の仕様
3)外皮の面積
4)開口部の設計(配置や大きさ)
などがあげられよう。
断熱性のみを求めすぎると、閉塞感のある、真四角で窓の小さな形状になっていってしまうのだが、
住宅を造る上で、重要になってくるのは、
そのバランス感覚なのではないかと、感じるところである。
今の時期は、大寒を過ぎたところで、寒さのピークの時。
ところが、日本には、四季があり、寒さのピークもあれば、暑さのピークもある。
暑さ寒さのピークをできるだけおだやかにして、
夏は夏らしく、冬は冬らしくすごしながら、
健康で、豊かな暮らしが育まれるような、住まいになればと思う。