日々の暮らしは、様々な選択の連続の中にある。
朝起きて、歯を磨く。その際に、使う歯ブラシ一つをとってみても、
自身の歯茎の状態や、口腔の状態によって、どんなものがいいか、
ドラッグストアで、いろいろと思案して購入し、日々使い続ける。
一度購入すると、それは、しばらく使い続けるのだが、
自分に合わないとすれば、買いなおすこともある。
歯ブラシといえども、自分に合うか合わないかは、結構、重要な気がする。
歯ブラシの場合、価格からすると、選択を失敗しても、買いなおすことはできるが、
住宅となると、早々、買いなおすこともできない。
ゆえに、じっくりと、検討に検討を重ねながら、
自分たちに合った住まいとは、どんなものなのかを、家族とも話し合いながら、
選択をしておられることだと思う。
おなじ住むのであれば、「気持ちいい家」に住みたいと思う。
長い時間を、そこで過ごすのだから、その中の「空気感」は、とても重要な要素。
「空気感」は、なかなか、定量的に表すことが難しい。
何しろ、日本の住宅で、使用が制限や禁止されている物質は、2つだけ。
法令的には、何でもありの状態の中で、
様々な建築資材が用いられている。
材料から発生する化学物質などは、目に見えないこともあって、
わからないことが多い。
そこで、一般的には「☆☆☆☆の建材を使えば問題ありませんよ」という、業者の声に従い、
合板フローリングやビニールクロスという仕上げ材を使うことを良しとしてしまう。
もちろん、価格の問題はあるけれど、
生涯住まいとして使い続ける空間の仕上げ材だから、
人生への影響も多くあるのではないか。
そんなことを思いながら、
私たちは、無垢の木の床板と珪藻土の塗り壁をよく使っている。