現在、ゆい工房では、
『山の木を伐採するところから始まる木の家づくり』に取り組んでおります。
木造住宅であれば、当たり前に使っている『木材』なのですが、
木材流通の川上側(山側)については、直接的に接することが、一般の場合、まったくないと思われます。
ホームセンターでも売られている木材ですが、
それが、どこの山で育てられた木なのか、とってきたものなのか、
ほとんどの場合、わからない状態にあります。
今回のプロジェクトでは、葛巻町の山林で育てられた木々を、伐採の前時点から、拝見させていただきましたし、
新月伐採の現場も拝見させていただきました。
丸太の供給者様からは、木材の育林をしてこられたご苦労などもうかがっておりましたので、
その材料が、製材されて、建築材料になっていく過程を直接見られるという、
とても貴重な場となりました。
造林された木は、植林された時から、50~70年ほどの年月の経過によって、
初めて建築用材になることを思えば、長期的な視点に立って見ていかなければと、
改めて思わされます。
変化の激しい社会の中では、半世紀以上先のことなど、
想像することすら、難しいことではあります。
しかし、日本国内では、人々の暮らしを支える住環境は、
身近な材料である木を使った住宅であるということは、
過去から現在、未来に至っても続いていくだろうということを考えますと、
循環型の資源である『木』『木材』という資源が、
これからも引き続き安定的に育てられ供給されることが、
とても大切なことだと思います。
コロナ後のウッドショックや、ウクライナ戦争によって、
輸入材の供給体制が変化してきている現在だからこそ、
国産木材の安定的な供給体制が、引き続き保たれることを願ってやみません。