「雨樋」
雪国では、雨樋をつけないという選択をするケースが少なくない。
屋根から樋に乗っている雪が、氷の塊になり、
落雪する際に、樋ごと、落下してしまう。
雪害ということで、火災保険の商品では、保険の範囲内で修理することが、可能な場合もあるが、
範囲に含まれていないケースもある。
屋根形状や雨水を排水する樋については、
地域柄があらわれる。
多雪地域では、ほとんど、樋のない家がつづく。
軒の出は、建物の外壁の傷みに影響を与える。
寺社仏閣の軒の出は、半端なく出ている。
日本のような湿潤な気候の地域で、何百年も存在し続ける建物には、
そのような知恵が生かされている。
住まいにおいても、軒の出や、屋根の勾配によっては、
樋をつけないという選択が、できるだろう。
ゆい工房の展示場は、今年で20年になるが、樋をつけない屋根になっている。
屋根材が、自然石を接着した鋼板になっていて、雪が滑り落ちることもない。