●大工さんの品格

2007/02/01(木) 未分類
「この前の現場でさ、二階の窓から下屋の瓦に出たとき、瓦が割れてさ、そのまま知らないふりして、その現場から引き上げてきたのさ・・・。」

十数年も前に、大規模アパート工事を手がけていた時、3時の一服中に、応援大工さんの一人から聞いた話です。(一般社会では許されない無責任な話です・・・。)

私はその話を聞いた日の夕方、そのチームの親方に明日からチーム全員現場に来なくてもいい旨申し渡しました。案の定、そのチームは親方を始めとして仕事がとても粗雑でした。

住宅業界に入ってとても驚いた事は、大工さんの技量の差が天地ほどもあることです。
ツーバイフォー住宅専門の大工さんのように、丸鋸と釘打ちしかできないフレーマーという職種から、宮大工さんのレベルまでさまざまです。

私も数え切れないほどの大工さん達とお付き合いしましたが、その経験から一つの確信があります。

大工さんの腕の善し悪しは、最後は、その大工さんの人柄(品格)に比例するということです。

お金だけもらって、仕事はそれなりにこなして切り抜けようと考えている棟梁さんには、同じような大工さん達が集まって来てしまいます。

ゆい工房では現在、長年お付き合いしている熟練した大工さんのチームしかおりませんが、例外なく棟梁さんの人柄がいいことは自慢できることだと思っています。

1ページ (全34ページ中)