「住宅ローンが生涯最大の買い物」セミナー

『京の都伝統図案素材集』　社団法人日本図案家協会より


先日、住宅コンサルタント会社主催の住宅会社向けのセミナーの案内が届き、参加しました。

その概要は以下のようなもの。

１）住宅受注のトレンドは「資金計画」からのアプローチを徹底的に営業担当者に教育訓練すること。
　　 （→担当者が住宅そのものに詳しい必要はない）

２）お客様に生涯最大の買い物は住宅そのものではなく、住宅ローンである（金利返済分も含めるとたしかにそうなる）ことを意識させること。
　　（→価値観の転換を図る）

３）自分の身の丈を超えた借り入れは命取りであることを徹底的に事例を挙げ説明すること。
　　（→危機感を植え付ける）

４）自分の会社が、どこよりも条件の良い住宅ローンをアドバイスする資金計画のプロの会社であることをお客様にアピールすること。
　　（→自分の会社をお客様の正義の味方にする）

５）最後に、自分の会社の住宅そのものの内容については、最初から詳しい説明はしなくてもいい。


なるほど。目から鱗がとれるすばらしいセミナーでした（？）


実はこれ、ローコスト系の住宅会社が積極的に取り入れている、典型的な営業手法のようです。

私が問題があると考えているのは、住宅ローンのリスクを過大に強調しながら、家そのものについては、「どこの住宅会社も大差は無いですから」ということで、お客様に住宅そのものの価値について検討させないように誘導している点です。

内装仕様の選択は、子供たちのアレルギーに直結する重大な問題ですし、間取りも家族の絆を結ぶ大切な選択です。


私たちは家をなんのために建てるのでしょうか？


資金計画に詳しい住宅営業マンが勧めてくれた家が、家族を幸せにする家にならないこともありそうです。

住宅の検討は、「家そのもの」の良さを検討するという「王道」を外さないことこそが、失敗しない家づくりの第一歩なのではないでしょうか。



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